“日本青年館にライブを見に行くのはいつ以来だろう?”と考えながら、千駄ヶ谷駅から歩いたのだが、青年館の前までやって来たところでも、ついに思い出せなかった。
1980年代には、いろんなアーティストが初めてのホール・コンサートの会場としてここを使ったものだが、the pillowsは25年目にして初めてとのこと。というわけでしんちゃんがMCで「日本中年館へようこそ」と叫んで大いにウケたわけだが、ここは2020年の五輪開催に向けて、来年には取り壊されてしまうそうなので、彼らにとっておそらく最後の青年館ライブである。
NEVER ENDING STORY“Do You Remember The 2 nd Movment”と題して名古屋、大阪、東京をまわるスペシャル・ツアーの最終日。“2 nd Movement”とは1994年から96年の「第2期」楽曲ばかりを集めるということで、聴こえてくる音楽はソウルやジャズの要素を取り入れた、“渋谷系”という懐かしい言葉も思い出させるサウンドだが、その時期は彼らのキャリアのなかでは、ある種の混迷期でもあったせいか、そこには感傷的な甘酸っぱさが漂っている。とは言っても、印象的なメロディーと詩的なロマンティシズムを感じさせる歌詞という山中さわお作品の特徴はもちろんちゃんと備えていて、だからこそ山中が冗談めかして話した「メンバーもみんなも拭いきれない違和感」などライブの最後には確かに霧散してしまったのだった。それは、埋もれていた佳曲に出会う時間でもあったが、その新しい出会いは現在のthe pillowsアレンジで聴いてみたいという新しい欲望をかき立てる時間でもあった。
こうした企画性の強い内容であってもちゃんと「Future」という新曲(厳密に言えば未発表曲)を用意してくるあたりは山中らしいが、来週からは正真正銘の新曲レコーディングに入るという。このツアーは、彼ら自身にとっては、やはり次なる一歩への意欲をかき立てる大切な時間であったに違いない。
01.LIBERtY
02.恋のスパイに気をつけろ
03.Sha-la-la-lla
04.モノクロームラバーズ
05.エンゼルフィッシュ
06.Sunday
07.ガールフレンド
08.僕でいられるように
10.TONIGHT
11.Future
12.アムネジアの日記
13.開かない扉の前で
14.THE KILLING FIELD
15.Tiny Boat
16.DAYDREAM WONDER
17.Bye Bye Sweet Pain
18.Movement
[ENCORE]
01.屋上に昇って
02.NAKED SHUFFLE
[DOUBLE ENCORE]
01.TOY DOLL
02.Primer Beat