デビュー16周年を記念した、弾き語りスタイルを基調としたスペシャル・ライブ。その名も”Premium Adult Night”の東京2日目である。
ファンの間ではすでにお馴染みだが、スガは通常のバンド編成によるライブとは別に”Hitori Sugar”と題した弾き語りライブ・ツアーを続けていて、この日のライブはその成果を披露するというものでもあったろうが、それがこの15年間の軌跡をまとめた2枚組ベストが2タイトル同時リリースされる直前というタイミングはなかなかに示唆的だ。というのも、ベスト盤とはそのアーティストの楽曲レパートリーの最良の部分をまとめて楽しむというものだが、一方弾き語りというスタイルが意匠を削いだ楽曲の骨格をあらわにする形であることは周知の通り。だから、このアニバーサリーのタイミングで、あらためてスガの楽曲力を実感してほしいというメッセージを感じたのは僕だけではないだろう。
もっとも、そこで実感したのは、もちろんまずは楽曲の魅力だったけれど、同時にそれは彼のボーカルと分ち難く一体となったものであるように感じられたことが個人的な新鮮だった。その感覚は、ひらたく言えば、「スガの曲はスガが歌うからいいのだ」ということになるのだが、それをさらに考えていくと正確にはスガはスガにしか表現できない哀しみをその楽曲のなかに忍び込ませているということなのかもしれない。そして、その哀しみは、この日のような弾き語りスタイルで本人が歌うとつい姿を現してしまう。この日、MCで話していた「ステージの魔物」のように。でも、それは例えば砂浜にしみ込む春の雨のような哀しみだから、それを愛でるこおができるのはやはりPremiumなAdultだけなんだろうと思われたステージだった。
01.Re:you〜かわりになってよ
02.アシンメトリー
03.Party People
04.Festival
05.サヨナラホームラン
06.春夏秋冬
07.NOBODY KNOWS
08.ひとりぼっち〜SE〜アイタイ(w/Strings)
09.黄金の月(w/Strings)
10.夜空ノムコウ(w/Strings)
11.Progress(w/Strings)
12.夕立ち
13.Hop Step Dive
14.ヒットチャートをかけぬけろ
15.コノユビトマレ
16.午後のパレード(w/Strings)
[ENCORE]
01.バクダンジュース
02.傷口(w/Strings)
03.19才(w/Strings)