アルバム『&C』を携えてのツアー、そのファイナルである。
この日のMCで再三説明していた通り、『&C』はツアー・メンバーがそのままレコーディング・メンバーという体制で制作されたものであり、ツアーのなかでそのアルバムは完成されるという意識でこのツアーは展開されてきた。だから、この日はまさに1枚のアルバムの出来上がりを体験するステージだったわけだが、例えばツアー初日のステージと比べてみると、バンドの演奏がツアーの終了を惜しむようにていねいなものだったことも含め、やはり1曲1曲の目鼻立ちがくっきりした。もちろん、音源のなかでそれぞれの曲が一度定型を手に入れているわけだが、それがツアー初日にはライブの躍動感が加味され、あらためて流動的になり、どういうふうに練り込まれていくのか?と期待させたものがこの日のステージでは新たな着地点を見出していたということである。
そのポイントは、個人的には音源よりもいっそう歌に寄ったバランスになったように思う。アルバム『&C』はロック的なバンド・サウンドがテーマだったが、それがツアーを経て、やはり歌に収斂していくことになったことにChageのライブの真骨頂を見て取ることも可能だろう。つまり、サウンド・スタイルを選ばないそのボーカルの個性が改めて確認されたという意味で、やはり今回のツアーは他でもないChage自身にとってとても有意義なツアーだったと思われる。実際、終演後、挨拶に現れた彼はいつにも増して晴れやかな表情で、とても穏やかに興奮しているようすが印象的だった。
1.Knockin' On The Hill
2.無敵の海へ The Fishes
3.勇気の言葉
4.春の雪
5.Style
6.手を握った
7.ふわり
8.Milky Way Blues
9.月がいい訳をしてる
10.アイシテル
11.天使の休息
12.All You Need Is Live
13.CRIMSON
14.永遠の謎
15.&C
[ENCORE]
1.まわせ大きな地球儀
2.SOMEDAY
3.Windy Road 2010