2010.12.20 布袋寅泰@リキッドルーム

8月から始まったマンスリー・ライブ・シリーズの最終回は、来年2月の30周年記念ライブの景気のいい予告編になったように思う。この日のバンドは、中村達也(ds)、TOKIE(b)、小島良喜(key)に布袋という4人編成。武道館もこの布陣がベースになるんじゃないかと思われるが、さてどうだろう?

 

今回のマンスリー・ライブ・シリーズについて、この日のMCで「ケガをして休んだ時期にあらためてギターを向き合うことになった」と布袋は語っていたが、そのなかでようやくギターをある程度使いこなせるようになってきた感触もあって、それを確認するためにもこうした空間が必要だったという話である。

 

それは新しいアルバムをリリースして、その内容をプレゼンテーションするのを中心のテーマに据えたライブとは違う形になるのも当然で、ロキシー・ミュージックやプレスリーなど洋楽のカバーを数曲並べたり、いままでステージでやったことがない曲を披露してみたり、といったこの日のセット・リストはそうした主旨がより具体的に表現された形であるというふうにも言えるだろう。つまり、自分の音楽の振り幅や奥行きを確かめ、そのなかで自分のギターや歌の位置を再確認するということ。さらには、この濃密な空間のなかでその強度や柔軟性を実感すること。そうした目論見が十分に達成されたシリーズになったのではないか。

 

ちなみに、この日はテリー・ボジオが来場していることがアンコールで紹介されたが、テリーも2月の武道館が観たくなったんじゃないだろうか。